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残業代請求、サービス残業など労務問題を主に扱う顧問弁護士

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残業代請求・サービス残業

今日は、残業手当の請求についての裁判例を紹介しています(つづき)。

3 標準運行時間制の採用及び手待時間の時間換算は、脱法的に「みなし労働時間制」を導入したことになるか。
(一) 原告の主張
(1) 労基法三七条の趣旨は、同法三二条一項による一日八時間労働の原則の例外である時間外労働(残業)について、割増賃金(残業代)の支払を義務付けることにより、時間外労働(残業)を抑制するところにある。したがって、時間外勤務手当(残業代)支給の対象となる時間は実際の労働時間が八時間を超えているかどうかが基準となるが、実際の労働時間の把握が困難な職種については、計算上の労働時間を算出しその時間労働したものとみなす「みなし労働時間」制をとることが認められている。しかしながら、みなし労働時間は例外であるから、その制度を採用しなければならない必要性があり、かつ、みなし時間の計算も実際の労働時間を下回ることがないように合理的に定められなければならない。
(2) 被告においては、標準運行時間を超える労働時間は手待時間とされ、時間換算により〇・四六六七倍されて計算されるから、手待時間と評価されない〇・五三三三の部分は切捨てられることになる。したがって、標準運行時間制度は部分的な「みなし労働時間」制にほかならず、本来「みなし労働時間」制を採用することができない職種について、部分的にせよ「みなし労働時間」制をとることは脱法行為として許されない。被告においては、運行乗務員の実際の労働時間を把握することは可能であるから、「みなし労働時間」制を採用することはできない。
(3) 標準運行時間は実態に適合していない。すなわち、運転時間については、順調に走行できたとして始めて達成できるものであり、ラッシュ、事故、天候不良などによる道路渋滞を全く評価していないし、荷作業時間については、積み込む荷物が届くまでの待機時間及び荷物の仕分け作業時間を考慮しておらず各営業店所の作業実態に適合していない。にもかかわらず、標準運行時間を超えた労働時間はその実質を問わず手待と評価し、賃率にして三分の一しか支給しないこととしたものであり、不当な制度である。
(4) 被告は、標準運行時間により手待とみなされた時間について賃率を三分の一にするのではなく、時間換算をしている。賃率を下げるだけであれば、所定労働時間内に手待時間が相当あり、時間外労働(残業)時間に実労働時間がかなりある場合、その時間外労働(残業)時間については割増賃金(残業代)を支払わなければならない。ところが、時間換算をすることにより、所定労働時間内の手待時間が時間として〇・四六六七倍されるため、本来は時間外労働(残業)時間として評価されるべき時間が所定労働時間内に組み込まれることになり、その分の割増賃金(残業代)の支払を免れることになり、不当違法である。
(二) 被告の主張
(1) 運輸業界においては、運行乗務員の労働時間を実労働時間と手待時間の二つに区分している。手待時間とは、休憩ではないが精神的肉体的に非常に苦痛の少ない休憩に匹敵するような時間を意味する。手待時間の賃率をどう定めるかは労使の協議に委ねられており、被告においては賃金支給率を実労働時間に対し三分の一と定めている。
(2) 原告らの主張する「手待時間と評価されない時間」というのは、手待時間の賃率を実労働時間の三分の一と定め、かつ、計算を簡便にするため時間換算したことの結果にすぎず、「手待時間と評価されない時間」なるものは発生していないから、標準運行時間は「みなし労働時間」ではない。
(3) 運行乗務員の実際の労働は管理者の指揮下で労務を提供するものではないため、労働時間自体の把握は可能であるが、途中の作業形態を把握すること、すなわち手待時間を把握することは極めて困難である。そこで、手待時間を算定するために採用されたのが標準運行時間制度である。被告の標準運行時間制度は、点呼・点検・給油・洗車時間については十分に余裕のあるものであるし、運転時間についてもほぼ実態と合致している。また、荷作業時間についても手待時間と評価すべき時間が相当程度存在することは明らかである。


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